永遠を糸で縫い留めて

篝火

あなたをどれほど深く想っているか 針の先にともった鈍い光ほども 


あなたには届かないのでしょう


宵闇の中に残された わずかに残った篝火さえ消すことができたら


体はかるくなり また違うひとを想う時間が始められるのでしょうか


あなたといつか 紺色の夜空の下で


篝火に手を当て 語り合う時が来ればと 夢に見た淡い春の朝もありました


今 あなたは 私のことをどう思っているのでしょうか


それを問うことすら 恥ずかしくて


それができない自分が 情けなくて


恋に向いていない自分が恋したあなたは 


篝火のように穏やかで やさしいあたたかさがありました 

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