永遠を糸で縫い留めて

藤袴

イライラなどしていないの


ただ不安定な私たちの関係が 


ある日 指で引っ掛けられた銀色の蜘蛛の糸のように


ほどけてしまわないかと 心がざわざわして落ち着かないだけなの


誰を悪者にしたいの あなたはずるいひとだわ


自分に責任があるのに 全部ひとのせいにして


そんなひと 好きになれるわけないじゃない


どれだけ私への恋心を伝えられたって


ああ 早く 今の汚れた服を脱ぎ払って


藤色の袴を履いて 青い空の下を堂々と歩きたいわ


誰に気兼ねすることもなく その時はひとりで 誰とも関わらない一日を作りたいわ
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