永遠を糸で縫い留めて

友達

自分を大事にすれば 自分のことを大事にしてくれる人が見えてくるって


ラジオのメールを読んでくれたアーティストは言っていた


私は今まで 薄い人間関係ばかり大事にしようとしていた


知らない人がいるところに 勉強のためと言って入り込んで


自分が傷つく結果になるの 本当に嫌になる


久しぶりに高校の友達と電話した夏の夜は いつもより暑くて


八月のはじまりって感じだった


蝉はまだ鳴いてない 私たちは静かに話し始めた


テンポの良い会話 時間のすべてが心地いい 


ああ 心から生きたって思える 


ひとりの時間にあれこれ悩んでいたことさえも 忘れてしまった


多分彼女らと離れたら またくよくよ悩み出すんだろうけど 


あの瞬間のために生きている気がする 


夜は流れ 空気は冷えても 電話の温度は 一杯のコーヒーのようにあたたかい
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