永遠を糸で縫い留めて

夏が帰る

あれ いつの間にかこんな時間


バスの外は 小雨がカーテンになって 見れないわ


こんなふうに人生は終わってゆくのね


あんなに暑くて嫌だった夏も 数日涼しくなっただけで懐かしくなるもの


森を歩いていると 鈴虫が鳴いているわ 包み込むような 降るような音色


外を歩くのが心地いい 鼓動の音も穏やかだわ


こんなふうに人生は過ぎてゆくのね エンディングへ向かって


夏が懐かしい 瓜科の食べ物に助けられて 水が毎日恋人で 


つらかった日々も こんなふうに懐かしがれるように 


人生は終わってゆくのね 


夏はあのひとのことが好きだったけれど 夏の終わりにお別れして


今は別のことに興味がいってる 涼しさと共に


こんなふうに 人生は研ぎ澄まされて 残ってゆくのね 


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