永遠を糸で縫い留めて

刀の血

月光がまだねばついている刀の血を煌めかせている

おおよそまだ半刻も経たないところであろうか

暗闇の中で袴の裾だけを引きずっている

おやすみはまだ誰にも言えなかった

殺してしまった相手への気遣いなのか

それとも自分の未来への未練なのか

わからないままただ荒野を歩き続けた

刀を地に引きずりながら

おおよそまだ半刻というところか

まだおやすみは言えない

薄暗がりから明るみに出るところへ向かおうとしている

足を引きずりながら

私に光明があるのかどうかもわからないまま

ただ空虚な気持ちに向き合わないように

足を歩ませ続ける

自然の流れに乗って
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