永遠を糸で縫い留めて

浴室

昨日彼と愛し合った 汚い純白のベッド

たっぷりといれたお湯 小窓からさす朝の光で きらりとたゆたっている

私はそこに ショッキングピンクのバスソルトを砕いて入れる

はらはらと散るさまは 桜のようで

最後のひとかけらが溶けて消えるまで 私は裸のまま動かない

つまさきを伸ばし ようやく足首をつけて 

じわり じわりと血色が良くなってゆく 

あからんでいくのはお湯か 私か 

昨日の汚れも 薄紅に溶けて消えてゆく 

涙も傷さえも あたたかく 
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