クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
出会いと惹かれる心
「中村ー」

「はーい。お呼びですか?」

名前を呼ばれ、編集長のデスクの前へと向かう。

「飛鳥(あすか)先生の締切が迫ってる。様子を見て来い」

「ええ!? 私がですか!?」

「なんだよ、文句あんのか? お前しか今手空いてる奴がいねぇんだよ」

いや、あんた空いてるやん。
なんでスルメなんて呑気に食べてんのよ。

「ところで飛鳥先生って?」

「はぁ? お前ここ来て何年目だよ。かの有名な不知火飛鳥(しらぬいあすか)だよ」

「し、不知火飛鳥ぁ!? え!? ここで担当してたんですか!?」

不知火飛鳥と言ったら、有名なミステリー小説で名の知れた作家じゃないか!

「ああ。気難しい人だから、担当者が直ぐに尻尾巻いて逃げちまうんだよ。んで周り回って俺の所に話が来た」

げ。
そういう事!?

他のみんなを見れば下を向いて目を合わせないようにして、なんだかいつも以上に倍速で手元が動いて忙しいですアピールをしている。

急に電話をかけ始めた奴までいるぞ。
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