【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
29 出来過ぎて怖い
私とウィリアムは久しぶりに同伴して夜会に出て、仲睦まじい婚約者らしく寄り添っていた。
舞踏会のはじまりに、二回ほど踊った。
これは、婚約している男女にしか許されないことだ。三回目は結婚している夫婦のみ。
それとなくダスレイン大臣を確認すると、これまでの親しみのある好々爺のような印象が一変。何も思い通りにならない苛立ちでか、人相がすっかり悪くなってしまっていた。
あのような様子では、とても近づきづらく、これまで懇意にしていた人たちも離れていってしまうと思うけれど、それはもうあの人の自業自得よね。
今もダスレイン大臣の周囲には円を描くように空間が出来ていて、ピリピリとした空気を身にまとう彼に話しかけようと思う者は居ないようだ。
対して、私のすぐ傍に居るウィリアムは、今までは幽閉されていた王太子だった。
けれど、成人の年齢になり、こうして表に顔を見せるようになっていまえば、これまで不遇だった派閥が目の色を変えて優秀な彼に近づきたがった。
今も現王とは距離を置いている権力の強い公爵が、ぜひ我が邸の夜会へと誘いに来たところだった。
舞踏会のはじまりに、二回ほど踊った。
これは、婚約している男女にしか許されないことだ。三回目は結婚している夫婦のみ。
それとなくダスレイン大臣を確認すると、これまでの親しみのある好々爺のような印象が一変。何も思い通りにならない苛立ちでか、人相がすっかり悪くなってしまっていた。
あのような様子では、とても近づきづらく、これまで懇意にしていた人たちも離れていってしまうと思うけれど、それはもうあの人の自業自得よね。
今もダスレイン大臣の周囲には円を描くように空間が出来ていて、ピリピリとした空気を身にまとう彼に話しかけようと思う者は居ないようだ。
対して、私のすぐ傍に居るウィリアムは、今までは幽閉されていた王太子だった。
けれど、成人の年齢になり、こうして表に顔を見せるようになっていまえば、これまで不遇だった派閥が目の色を変えて優秀な彼に近づきたがった。
今も現王とは距離を置いている権力の強い公爵が、ぜひ我が邸の夜会へと誘いに来たところだった。