【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
34 君と見る夕焼け
「まあ……君が良いのなら、俺もそれで良いんだが」
その時、ウィリアムは時間が気になったのか、不意に壁掛け時計を見た。
私も彼につられて時計を見れば、今は夕方五時頃。
季節的に、もうすぐ暗くなって来そうな頃合いだ。
だとしたら、私は誘拐されて、丸一日留守にしていたことになる。
あの時、衛兵と共に来てくれたラザルス伯爵家の護衛騎士たちとも会ったけれど、彼らは私を探して徹夜でそれこそ駆けずり回ってくれていたみたいだ。
不用意に倉庫に入り込んでしまったのは、完全に私の失態なのに、無事な姿を見て、皆は男泣きしてしまっていた。
ラザルス伯爵家に仕える彼らは忠誠心が高く、だからこそ、悪役令嬢モニカは色々とウィリアムやキャンディスに嫌がらせ仕掛けることが出来た。
つまり、モニカ・ラザルスは持って生まれた最悪な性格を除けば、本当に恵まれている完璧な伯爵令嬢なのだ。
いくらウィリアムが不遇の王太子で未来に廃位させられると決まっていても、適当な貴族令嬢を宛てがう訳にいもかなかったのだろう。
「なあ。モニカ……この後に何かあるか?」
ウィリアムからそんなことを質問されて、私は驚いた。
私がここへと寄ったのは、彼が『離宮で待っている』と言ったからで、本来ならば、すぐに家長のお父様にお会いするべきだろう。
けれど、ウィリアムが私に対し、そんな事を聞いたのは……初めてのことだった。
「え? いえ。家族には、無事だと連絡をしなければなりませんが」
「無事に見つかって怪我もないという連絡なら、俺の方で済ませている……少し時間を貰えないか。俺について来てくれ」
その時、ウィリアムは時間が気になったのか、不意に壁掛け時計を見た。
私も彼につられて時計を見れば、今は夕方五時頃。
季節的に、もうすぐ暗くなって来そうな頃合いだ。
だとしたら、私は誘拐されて、丸一日留守にしていたことになる。
あの時、衛兵と共に来てくれたラザルス伯爵家の護衛騎士たちとも会ったけれど、彼らは私を探して徹夜でそれこそ駆けずり回ってくれていたみたいだ。
不用意に倉庫に入り込んでしまったのは、完全に私の失態なのに、無事な姿を見て、皆は男泣きしてしまっていた。
ラザルス伯爵家に仕える彼らは忠誠心が高く、だからこそ、悪役令嬢モニカは色々とウィリアムやキャンディスに嫌がらせ仕掛けることが出来た。
つまり、モニカ・ラザルスは持って生まれた最悪な性格を除けば、本当に恵まれている完璧な伯爵令嬢なのだ。
いくらウィリアムが不遇の王太子で未来に廃位させられると決まっていても、適当な貴族令嬢を宛てがう訳にいもかなかったのだろう。
「なあ。モニカ……この後に何かあるか?」
ウィリアムからそんなことを質問されて、私は驚いた。
私がここへと寄ったのは、彼が『離宮で待っている』と言ったからで、本来ならば、すぐに家長のお父様にお会いするべきだろう。
けれど、ウィリアムが私に対し、そんな事を聞いたのは……初めてのことだった。
「え? いえ。家族には、無事だと連絡をしなければなりませんが」
「無事に見つかって怪我もないという連絡なら、俺の方で済ませている……少し時間を貰えないか。俺について来てくれ」