【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
09 お針子修行
「おい。大丈夫か……?」
不意に胸を押さえていた私を見て、体調でも悪くしたと思ったのか、ウィリアムは近付いて来た。
そんな彼を見て私はここで自分がすべき事を思い出したので、手を彼に向けて動かないように制した。
「ああ。そういえば、ちょうど良かったですわ。ウィリアム様。私も貴方にして欲しいことがあって……これは、時間的に急務です」
「……何をすれば良いんだ?」
「そこで服を脱いで、真っ直ぐに立っていてもらえますか?」
「はあぁ? ……お前はたまに、突拍子もないことを、いきなり言い出すな。まあ、良い。これで良いのか」
毛玉を取らせてくださいと言った事件を思い出したのか、顔を顰めながらウィリアムは着ていたシャツを脱いで下着姿になると、私のお願い通り真っ直ぐな姿勢でその場に立った。
「そのまま、動かないでください」
私は近くにあった紙とペンを机に置き、ポケットの中から、最近ようやく使い慣れてきた巻き尺を取りだした。
ウィリアムは本当に素直な良い子なので、私の指示に従って、手首や腕にテープを巻き付けられても、何も言わないでいた。
……こんな場所に長年幽閉されているから、筋肉もあまりないだろうと勝手に思って居たけれど、ウィリアムの身体はがっしりとしていて筋肉質だった。
あまり動かないはずの王子様だというのに、その意外性にときめいてしまう。
不意に胸を押さえていた私を見て、体調でも悪くしたと思ったのか、ウィリアムは近付いて来た。
そんな彼を見て私はここで自分がすべき事を思い出したので、手を彼に向けて動かないように制した。
「ああ。そういえば、ちょうど良かったですわ。ウィリアム様。私も貴方にして欲しいことがあって……これは、時間的に急務です」
「……何をすれば良いんだ?」
「そこで服を脱いで、真っ直ぐに立っていてもらえますか?」
「はあぁ? ……お前はたまに、突拍子もないことを、いきなり言い出すな。まあ、良い。これで良いのか」
毛玉を取らせてくださいと言った事件を思い出したのか、顔を顰めながらウィリアムは着ていたシャツを脱いで下着姿になると、私のお願い通り真っ直ぐな姿勢でその場に立った。
「そのまま、動かないでください」
私は近くにあった紙とペンを机に置き、ポケットの中から、最近ようやく使い慣れてきた巻き尺を取りだした。
ウィリアムは本当に素直な良い子なので、私の指示に従って、手首や腕にテープを巻き付けられても、何も言わないでいた。
……こんな場所に長年幽閉されているから、筋肉もあまりないだろうと勝手に思って居たけれど、ウィリアムの身体はがっしりとしていて筋肉質だった。
あまり動かないはずの王子様だというのに、その意外性にときめいてしまう。