【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
02 毛玉
「ごめんなさい……本当にごめんなさい」
私はぽたぽたと音をさせて、灰色の石床に涙を落として泣いた。
今までの自分が、何の罪もないウィリアムにしてきたとんでもないことが、モニカとしての記憶の中から続々と思い出されたからだ。
……ウィリアムは、ただ早く産まれただけで、彼は何も悪くないのに。いいえ。姉エレインがもし、王子として生まれていれば、こんなにも迫害されることはなかった。
それもこれも、今ではもう、どうしようもないことなのに。
「はっ? 何、泣いているんだ……?」
彼はいつもいつも自分に対し、嫌なことしか言わないモニカのことが、大嫌いだったはずだ。唯一会話出来る人物だったとしても、早く居なくなれば良いと憎んでいるはずだ。
けれど、紳士な彼は眉を寄せながらも、女性が泣いているというのに何もしない訳にはいかないと思ったのもしれない。
私はぽたぽたと音をさせて、灰色の石床に涙を落として泣いた。
今までの自分が、何の罪もないウィリアムにしてきたとんでもないことが、モニカとしての記憶の中から続々と思い出されたからだ。
……ウィリアムは、ただ早く産まれただけで、彼は何も悪くないのに。いいえ。姉エレインがもし、王子として生まれていれば、こんなにも迫害されることはなかった。
それもこれも、今ではもう、どうしようもないことなのに。
「はっ? 何、泣いているんだ……?」
彼はいつもいつも自分に対し、嫌なことしか言わないモニカのことが、大嫌いだったはずだ。唯一会話出来る人物だったとしても、早く居なくなれば良いと憎んでいるはずだ。
けれど、紳士な彼は眉を寄せながらも、女性が泣いているというのに何もしない訳にはいかないと思ったのもしれない。