【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

16 隠し事

 私はエレインの自室へと案内されて、尊き王族に対し決められている型通りの挨拶を済ませると、無表情でそれに応じた彼女は、すぐに人払いを命じた。

 室内に残されたのは、エレインと私だけ。

 強い緊張感だ。エレインの周囲はピリピリとしていて、まるで私の中にある何かを見極めようとしている……?

「……なんだか、久しぶりね。モニカ。姿を見ていなかったわ」

「はい。エレイン様……ウィリアム様の立太子の儀式で、私も色々と時間が取られてしまって……」

 沈黙の中で不意に声を掛けられて、私は慌てて答えた。

 エレインわかりやすく血の繋がったウィリアムの姉で、とっても整った容姿を持っている。まっすぐな黒い髪と凛とした青い眼差しを持つ、鮮烈な印象の美貌の姫だ。

 浅い考えで不遇にあったウィリアムを虐めていた悪役令嬢モニカなどとは、エレインは全く格が違う。

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