【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

18 姉の真意

 感情が昂ぶり過ぎて泣いてしまっていたけれど、時間をかけてようやく落ち着けた私たち三人は、とりあえず涙を拭き、エレインに促されるままに応接用のソファへと腰掛けることにした。

 王族の姫の部屋は、信じられないほどに豪華だった……本来ならば、王太子ウィリアムだって、こんな部屋で日々を過ごしていただろうと思うと心が痛む。

「姉上。信じられないと思いますが……ダスレイン大臣が、黒幕なのです。王位簒奪を」

 ウィリアムはこれは真っ先に伝えねばと思っていたのか、エレインにダスレイン大臣のことを伝えた。

 私もこれは早めに伝えねばと思っていたけれど、エレインは非常に警戒心が強い。下手に伝えると、私が遠ざけられる可能性もあった。

 しかし、愛する弟ウィリアムの言葉となれば、用心深いエレインも話が違ってくるだろう。

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