大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
エピローグ
 コンスタッドとシオンが、明日ロックウェル王国に戻るという。だから、今のうちにモリスの作ったわたあめを食べてもらうことにした。
 サロンに四人が集まった。モリスはわたあめを作ったら、どこかに消えていった。彼女は、人の多い場所を好まない。
「シング公爵さま、これがやわらかい砂糖です」
 セシリアが両手を腰に当て、えっへんと胸を張ってみせる。
「綿みたいだな」
 シオンもぽかんと口を開けて、そう呟いた。
「はい。綿みたいだから、わたあめと言います。いいから早く、食べてください。ふわふわしてるから、すぐに溶けちゃうんです」
「どうやって食べるんだ? かぶりつく?」
 しかも今日のわたあめは、串に刺してあるから、かぶりつくことも可能。
「串を持って、そのまま食べてもいいですし。食べにくいなら、ちぎって食べてください」
 セシリアに促されたコンスタッドとシオンは、ふわふわっとしたわたあめに手を伸ばして、それをちぎった。
 彼らがわたあめを食べる様子を、エレノアとセシリアは息を呑んで見守っていた。
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