【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第29話 試験
お屋敷の応接間に向かえば、そこには旦那さまと見知らぬ神官が二人。
神官は私の顔を見て、少しだけ表情を厳しくする。……やっぱり、まだ認められていない。
「お初にお目にかかります。シェリル・リスターと申します」
深々と頭を下げてそう言えば、神官の一人が脚を組み直す。彼の目は、私を吟味するかのように細められていた。
「シェリル。こっちに来てくれ」
「はい」
旦那さまに呼ばれて、そのお隣に腰を下ろす。神官二人と対面する形になって、私は背筋を正して、二人のお言葉を待つ。
「さて、本日訪問したのは、儀式についてです」
「……はい」
「今回は、上手く魔力のコントロールが出来ているか。それを、確かめさせていただきます。合格のレベルに達すれば、具体的に儀式を行う日時を決めます」
そう言われて、大きく頷く。
神官が持ってきたのであろう鞄を自身のほうに引き寄せる。そして――出てきたのは、水晶玉。
「こちらに、魔力を送ってください。レベルは壊れないギリギリまで、です」
「……ギリギリ」
テーブルの上に載せられた水晶玉。色は淡いブルー。水面のような模様が浮き上がっていて、とてもきれいだ。
「水晶玉の様子を見て、魔力をコントロールしてください。多くても、少なくてもダメです」
目を伏せた神官が、そう言ってくる。
私は一度深呼吸をして、落ち着くことにした。
(この水晶玉は、一体どれくらいの耐久力をしているのか。それは、教えていただけないのね)
それすなわち、些細な変化を読み取って魔力をコントロールしなければならないということ。
……出来るのか、不安だった。
神官は私の顔を見て、少しだけ表情を厳しくする。……やっぱり、まだ認められていない。
「お初にお目にかかります。シェリル・リスターと申します」
深々と頭を下げてそう言えば、神官の一人が脚を組み直す。彼の目は、私を吟味するかのように細められていた。
「シェリル。こっちに来てくれ」
「はい」
旦那さまに呼ばれて、そのお隣に腰を下ろす。神官二人と対面する形になって、私は背筋を正して、二人のお言葉を待つ。
「さて、本日訪問したのは、儀式についてです」
「……はい」
「今回は、上手く魔力のコントロールが出来ているか。それを、確かめさせていただきます。合格のレベルに達すれば、具体的に儀式を行う日時を決めます」
そう言われて、大きく頷く。
神官が持ってきたのであろう鞄を自身のほうに引き寄せる。そして――出てきたのは、水晶玉。
「こちらに、魔力を送ってください。レベルは壊れないギリギリまで、です」
「……ギリギリ」
テーブルの上に載せられた水晶玉。色は淡いブルー。水面のような模様が浮き上がっていて、とてもきれいだ。
「水晶玉の様子を見て、魔力をコントロールしてください。多くても、少なくてもダメです」
目を伏せた神官が、そう言ってくる。
私は一度深呼吸をして、落ち着くことにした。
(この水晶玉は、一体どれくらいの耐久力をしているのか。それは、教えていただけないのね)
それすなわち、些細な変化を読み取って魔力をコントロールしなければならないということ。
……出来るのか、不安だった。