【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第34話 旅路(2)
「奥様との様子を見ればわかるわ」
「……そう、でしょうか?」
「えぇ、そうよ。あいつには年下がいいのよ」
ころころと笑いながらアネットさまがそう言う。……アネットさまがそう言うのならば、そうなのだろう。
「それに、私、正直もう結婚とかこりごりだし。今後はのんびりと田舎暮らしが目標よ」
「アネットさんって、派手なのに何処か庶民派ですよねぇ。都会が似合いそうなのに」
「都会は騒がしいもの。ロザリアさんも、ある程度年齢を重ねたらわかるわ。田舎のほうがいいって」
お二人はそんな風に会話を交わす。この中で一番年下なのは私なので、ちょっと話についていけない。
だから、暇つぶしとばかりに窓の外を見つめた。すると、視界の奥の奥に不思議なオーラを醸し出す建物があって。
「……あれって」
ぽつりとそう呟けば、アネットさまが私の視線の先を追う。そして、頷いてくれた。
「あれは神殿に隣接する建物。いわば、管理人が住んでいる場所よ」
ということは、その横には神殿があるのだろう。……今更だけれど、少し緊張してきたかもしれない。
「儀式自体は明日の夕方からだし、今から緊張していては身が持たないわよ」
「……ですが」
アネットさまの言葉は正しい。儀式の開始時刻までは一日以上ある。
つまり、今は緊張するべきときじゃないっていうこと。
「……そう、でしょうか?」
「えぇ、そうよ。あいつには年下がいいのよ」
ころころと笑いながらアネットさまがそう言う。……アネットさまがそう言うのならば、そうなのだろう。
「それに、私、正直もう結婚とかこりごりだし。今後はのんびりと田舎暮らしが目標よ」
「アネットさんって、派手なのに何処か庶民派ですよねぇ。都会が似合いそうなのに」
「都会は騒がしいもの。ロザリアさんも、ある程度年齢を重ねたらわかるわ。田舎のほうがいいって」
お二人はそんな風に会話を交わす。この中で一番年下なのは私なので、ちょっと話についていけない。
だから、暇つぶしとばかりに窓の外を見つめた。すると、視界の奥の奥に不思議なオーラを醸し出す建物があって。
「……あれって」
ぽつりとそう呟けば、アネットさまが私の視線の先を追う。そして、頷いてくれた。
「あれは神殿に隣接する建物。いわば、管理人が住んでいる場所よ」
ということは、その横には神殿があるのだろう。……今更だけれど、少し緊張してきたかもしれない。
「儀式自体は明日の夕方からだし、今から緊張していては身が持たないわよ」
「……ですが」
アネットさまの言葉は正しい。儀式の開始時刻までは一日以上ある。
つまり、今は緊張するべきときじゃないっていうこと。