【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第39話 女神の策略(3)
彼女の目が大きく見開かれた。
……私がこんなことを言うのが予想外だと、ひしひしと伝わってくる。
「許すのって、人が言うほど美徳じゃないんだと思います」
私はお父さまを許さないし、お義母さまも許さない。イライジャさまのことだって許すつもりは毛頭ない。
「じゃあ、おぬしは何故救おうとする」
眉を吊り上げてそう問いかけられた。
「自分の身を犠牲にしてまで、どうして救おうとする。意味が分からん。矛盾しておる」
「……そうですね。でも、この世の中は思うほど腐ってないんだと思います」
私は十八歳まで、すごく辛いところにいた。
でも、そこから救いあげてくださった人がいる。
そりゃあ、初めから好意的だったわけじゃない。辛く当たられたこともあった。
だけど、そういうことも含めてそれでいいって思える。
「いい人もいれば、悪い人もいる。それに、悪い人の所為でいい人がとばっちりを受けるなんて、バカげてます」
「……うぬ」
「私のこの考えは、所詮は私のものです。……押し付けようなんて、思ってはいません」
むしろ、そんなことおこがましくて思えない。
……私がこんなことを言うのが予想外だと、ひしひしと伝わってくる。
「許すのって、人が言うほど美徳じゃないんだと思います」
私はお父さまを許さないし、お義母さまも許さない。イライジャさまのことだって許すつもりは毛頭ない。
「じゃあ、おぬしは何故救おうとする」
眉を吊り上げてそう問いかけられた。
「自分の身を犠牲にしてまで、どうして救おうとする。意味が分からん。矛盾しておる」
「……そうですね。でも、この世の中は思うほど腐ってないんだと思います」
私は十八歳まで、すごく辛いところにいた。
でも、そこから救いあげてくださった人がいる。
そりゃあ、初めから好意的だったわけじゃない。辛く当たられたこともあった。
だけど、そういうことも含めてそれでいいって思える。
「いい人もいれば、悪い人もいる。それに、悪い人の所為でいい人がとばっちりを受けるなんて、バカげてます」
「……うぬ」
「私のこの考えは、所詮は私のものです。……押し付けようなんて、思ってはいません」
むしろ、そんなことおこがましくて思えない。