【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
最終話 未来への約束
 その言葉がなによりも、誰からの賛辞よりも嬉しい。

「……私も、一緒の気持ちです」

 はっきりとそう告げて、旦那様から離れようとしたとき。

 ふと「シェリル」と名前を呼ばれて――唇に温かいものが触れた。

「――っ!」

 今までだって何度も口づけはしてきた。けど、なんだろうか。不意打ちは、ズルいというか。

 ……こんなの、嫌いになるなんて、いつか離れるなんて無理じゃないか。

「……好きだ、一生、誰よりも」
「は、い」

 私は頷くことしか出来なかった。だって、そうじゃない。

 人間肝心なときに頭の中が真っ白になって、上手い返事が思い浮かばない。

 そっと手を重ねて。もう一度指を絡めて。私は星空に視線を向ける。
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