【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第9話 絶対的な味方
そうおっしゃった旦那様は、頭を下げてこられた。
……そんな。私が一方的に不安を抱いて、私が一方的に詰め寄ったに等しいのに。
だから、旦那様が謝る必要なんて――ないのに。
「そ、その……旦那様が、謝らないでくださいませ」
手をぶんぶんと横に振ってそう言うと、旦那様はゆっくりと顔を上げられた。その目の奥には、確かな不安が宿っているように見える。
それに、きっと私も似たような目をしているのだろうな、なんて思った。
「……いや、謝らせてくれ。それに、シェリルの方が謝る必要はない。俺の勝手な行動の所為で傷ついたんだからな……」
完全に項垂れてしまわれた旦那様を見つめつつ、私は俯く。
それから、数分が経って。不意に聞こえてきたのは、「こほん」という咳払い。
「旦那様、奥様。謝罪をされるのはよろしいですが、もうお互い引きましょう」
そして、続けられたそんな言葉。その言葉を発したのは、間違いなくサイラスだった。
「誤解も解けたことですし、今回はこれにて一件落着……ということで」
サイラスのその言葉を聞いて、私と旦那様は思わず顔を見合わせて……どちらともなく笑い合った。
「そもそもです。今回の原因は、お互いを想い合うからこその行動ですので……」
「……そう、なの?」
「えぇ、そうでございますよ」
私の問いかけに、サイラスがはっきりと言葉をくれた。……そっか。
「奥様は旦那様を想われるからこそ、浮気を疑われました。旦那様は、奥様を想うからこそ隠し事をされました。……結局、お二人ともお互いが好きということですよ」
そんなサイラスの言葉に、私は柄にもなく照れてしまった。熱くなった頬を隠すように手で押さえ、ちらりと旦那様を見つめる。
……彼も、お顔を真っ赤にされていた。なんだか、面白い。
……そんな。私が一方的に不安を抱いて、私が一方的に詰め寄ったに等しいのに。
だから、旦那様が謝る必要なんて――ないのに。
「そ、その……旦那様が、謝らないでくださいませ」
手をぶんぶんと横に振ってそう言うと、旦那様はゆっくりと顔を上げられた。その目の奥には、確かな不安が宿っているように見える。
それに、きっと私も似たような目をしているのだろうな、なんて思った。
「……いや、謝らせてくれ。それに、シェリルの方が謝る必要はない。俺の勝手な行動の所為で傷ついたんだからな……」
完全に項垂れてしまわれた旦那様を見つめつつ、私は俯く。
それから、数分が経って。不意に聞こえてきたのは、「こほん」という咳払い。
「旦那様、奥様。謝罪をされるのはよろしいですが、もうお互い引きましょう」
そして、続けられたそんな言葉。その言葉を発したのは、間違いなくサイラスだった。
「誤解も解けたことですし、今回はこれにて一件落着……ということで」
サイラスのその言葉を聞いて、私と旦那様は思わず顔を見合わせて……どちらともなく笑い合った。
「そもそもです。今回の原因は、お互いを想い合うからこその行動ですので……」
「……そう、なの?」
「えぇ、そうでございますよ」
私の問いかけに、サイラスがはっきりと言葉をくれた。……そっか。
「奥様は旦那様を想われるからこそ、浮気を疑われました。旦那様は、奥様を想うからこそ隠し事をされました。……結局、お二人ともお互いが好きということですよ」
そんなサイラスの言葉に、私は柄にもなく照れてしまった。熱くなった頬を隠すように手で押さえ、ちらりと旦那様を見つめる。
……彼も、お顔を真っ赤にされていた。なんだか、面白い。