【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第26話 餞別
アネット様の考えがわからなくて、私はきょとんとしてしまう。
そんな私を気にすることなく、アネット様はその場にしゃがみこんで土に触れた。
「……ふぅん」
その後、彼女はそう呟く。
かと思えば、私のほうに視線を向けてきた。彼女の目は、優しそうに細められている。
「ここはね、先代の奥様が度々弄っていた場所なのよ」
「……え」
その言葉に、驚いた。
私のその態度に気をよくしたのか、アネット様が笑われる。綺麗な、笑みだと思った。
「まぁ、ギルバートはそのことも忘れているんでしょうけれど。……でも、なんだか懐かしいわ」
ぐるりとアネット様が周囲を見渡す。彼女の髪の毛が、ふわりと揺れる。視線をくぎ付けにするみたいで、不思議な感覚。
「私、あなたにいくつか聞きたいことがあったの。……いいかしら?」
少し窺うように前置きをするアネット様。しばらくして、私は頷く。
正直、アネット様が私に聞きたいことがなんなのか。それは全く想像がつかないし、わからない。
それでも。拒否する意味もなかった。
「ねぇ、奥様。……あなたは、一体どうしてそんなにも頑張るの?」
「……え」
予想外の問いかけに、私が固まる。アネット様は、気にした様子もない。私の反応が、おかしいのかもしれない。そう思わせてくるほどに、彼女は平常だった。
そんな私を気にすることなく、アネット様はその場にしゃがみこんで土に触れた。
「……ふぅん」
その後、彼女はそう呟く。
かと思えば、私のほうに視線を向けてきた。彼女の目は、優しそうに細められている。
「ここはね、先代の奥様が度々弄っていた場所なのよ」
「……え」
その言葉に、驚いた。
私のその態度に気をよくしたのか、アネット様が笑われる。綺麗な、笑みだと思った。
「まぁ、ギルバートはそのことも忘れているんでしょうけれど。……でも、なんだか懐かしいわ」
ぐるりとアネット様が周囲を見渡す。彼女の髪の毛が、ふわりと揺れる。視線をくぎ付けにするみたいで、不思議な感覚。
「私、あなたにいくつか聞きたいことがあったの。……いいかしら?」
少し窺うように前置きをするアネット様。しばらくして、私は頷く。
正直、アネット様が私に聞きたいことがなんなのか。それは全く想像がつかないし、わからない。
それでも。拒否する意味もなかった。
「ねぇ、奥様。……あなたは、一体どうしてそんなにも頑張るの?」
「……え」
予想外の問いかけに、私が固まる。アネット様は、気にした様子もない。私の反応が、おかしいのかもしれない。そう思わせてくるほどに、彼女は平常だった。