【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
四章 家族で幸せになるために
このままではティンナール伯爵家やエディットの悪い噂が流れ続けて、評判は地の底まで落ちてしまう。
それだけは理解できた。
(どうして……? わたくしは悪くないっ)
馬車の中ではこれからのことが話し合われた。
けれど父から聞かされたのはこのことに追い討ちをかけるような出来事だった。
どうやらヴァネッサを嫁がせる代わりにシュリーズ公爵にもらった金が尽きてしまいそうなのだという。
それに金を注ぎ込んでいたのは事業を立て直すためなどではなかった。
現実から逃げるように娼婦に逃げていたのだ。
その娼婦の愛人を身篭らせてしまったらしい。
相手に結婚を迫られてバレるのも時間の問題だったと思い、白状したのだろう。
しかしそれは火に油を注ぐ最悪なタイミングだった。
母は父に掴みかかり馬車は大きく揺れる。
エディットは耐えられなくなり叫ぶ。
「最低ッ、最低よ! この役立たずがっ」
「──これからどうしろっていうのよ!」
「すまない、すまないっ……!」
それだけは理解できた。
(どうして……? わたくしは悪くないっ)
馬車の中ではこれからのことが話し合われた。
けれど父から聞かされたのはこのことに追い討ちをかけるような出来事だった。
どうやらヴァネッサを嫁がせる代わりにシュリーズ公爵にもらった金が尽きてしまいそうなのだという。
それに金を注ぎ込んでいたのは事業を立て直すためなどではなかった。
現実から逃げるように娼婦に逃げていたのだ。
その娼婦の愛人を身篭らせてしまったらしい。
相手に結婚を迫られてバレるのも時間の問題だったと思い、白状したのだろう。
しかしそれは火に油を注ぐ最悪なタイミングだった。
母は父に掴みかかり馬車は大きく揺れる。
エディットは耐えられなくなり叫ぶ。
「最低ッ、最低よ! この役立たずがっ」
「──これからどうしろっていうのよ!」
「すまない、すまないっ……!」