ヴィスタリア帝国の花嫁Ⅱ 〜婚約破棄された小国の公爵令嬢は帝国の皇子に溺愛される〜
40.リアムとの思い出
アレクシスの知るリアムは、真っ直ぐな心根を持った人間だった。
人を全く寄せ付けなかったアレクシスとは対照的に、多くの友人たちに囲まれ、まるで争いとは無縁の場所で生きてきたとでも言うように、いつだって微笑みを絶やさなかったリアム。
そんな正反対の気質の二人が友人と呼べるほどの間柄にまでなれたのは、リアムが積極的にアレクシスに話しかけたからだった。