整形ストーカー
眠気
夜になって自室へ戻ったとき、私はその場に崩れ落ちるようにして座り込んだ。
今日見た写真や自分の制服のことが頭に焼き付いて離れない。

電気もつけずに座り込んだままでいると自然と涙が出てきた。
雪菜だけは違うと思っていた。

信じていた。
だけど、怜也が整形したとわかった今、雪菜のことだって信用しちゃいけなかったんだ。

雪菜は女性にしては背が高くて、男性的なところもある。
怜也が体まで整形していたとすれば、雪菜が怜也であってもなんの不思議もない。

「うぅ……」
誰も信じられない自分に涙が出た。
悔しくて悲しくて、強い孤独を感じる。

でも、仮に雪菜が怜也じゃなかったとしても、雪菜はやっぱりおかしい。
ここにいることはもうできない。

私は手の甲で涙を拭うと、重たい体を引きずるようにして立ち上がり、部屋の電気をつけた。
クローゼットの中からボストンバッグを引っ張り出す。

こうして荷物をまとめるのも何度目かになる。
私が安心して暮らせる場所なんて本当にあるんだろうかと勘ぐりたくもなってくる。

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