整形ストーカー
大激怒
怜也と付き合っていることは学校のみんなにもあっという間に知れ渡ることになってしまった。
それというもの、怜也は私のバイトがない日には必ず車で学校まで迎えに来てくれたからだ。

「ちょっと千尋どういうこと!?」
これには当然鳴海は大激怒だった。

ただのお客さんだと言っていた相手が毎日のように迎えに来る理由を、根掘り葉掘り質問されて、休憩時間が終わる頃にはすっかりすべてを話し終えていた。

「いいなぁ! あんなカッコイイ人が彼氏なんて羨ましい!」
「え、えへへ」

話している間に鳴海の怒りは鳴りを潜めて、羨望の眼差しへと変わっていた。
「でも、財布を届けて仲良くなるとか、できすぎてない?」

「そうかなぁ?」
飲食店で忘れ物をするお客さんは結構多い。
特にスマホとか財布、そして雨の日の傘なんかは特に。

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