整形ストーカー
抵抗
目を覚ましたとき私はアパートの一室にいた。

これが初めて来る怜也の部屋だったが、私は椅子の足に両足を固定され、更に両手は後で固定されていた。

声をあげようとしてみると息苦しさを感じて、口の中になにか布を詰め込まれた上でガムテープを貼られていることに気がついた。

意識が覚醒するとほぼ同時に冷や汗が全身を伝って流れていく。
部屋の中をグルリと見回してみると6畳ひとまのフローリングだということがわかった。ガラス戸の向こうは簡易的なキッチンとバストイレ、そして玄関になっているみたいだ。

部屋の中には小さなテーブルと畳まれた布団、それに小型テレビがあるだけであまり生活感は感じられない。

けれど私から見える真正面の白い壁一面に写真が貼られていることに気がついて背筋が凍りついた。
それは何枚も何十枚も隠し撮りをされた私の写真だったのだ。
どうやって撮影したのか、誰かに頼んだのか、学校で鳴海と笑い合っている写真もある。

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