フランス人彼氏が甘すぎて、血糖値が心配です。

溺愛系彼氏の日常

文通でのやりとりが始まって、数ヶ月。
彼がついに来日し、晴れて恋人同士に──

……となるのですが、そこに至るまでの道のりには、いろんな出来事が詰まっていて。
一度では書ききれないので、少しずつ綴っていきたいと思います。



ベリーズカフェといえば、溺愛系ヒーロー。
まさか、と思うかもしれませんが──
ええ、実在します。
ちゃんとこの世界に、生きていました。

私自身も、かつては信じていなかったんです。
「そんなに甘い男性なんて、小説の中だけでしょう?」と。

ところが、いたんです。
それも、飛行機に乗って、フランスからやって来ました。

……信じられますか?

そもそも私は、恋愛において「目立たない側」でした。

婚活パーティでは、いてもいなくても場の空気が変わらない。
誰かとマッチングすることもほとんどなくて、
「ああ、今日もまた空気でした」とドリンク片手に帰る日々。

恋ができること自体が奇跡で、
結婚なんて、もはや蜃気楼。
「このまま一人なら、NISAでも始めようかな」と思う程度の現実感でした。

そんな日常のなか、
彼は、まるで季節外れの流星みたいに突然、現れました。

「しろさんは、綺麗で、かわいいです」

……初めて聞いたときは、耳を疑いました。
彼の目には、何かしら「愛のフィルター」がかかっているのかもしれません。

「しろさんに何かあったら、私は死にます」

……重い。とても真剣で、でも、突然で。

「美容師さん、女性ですか? 男性はやめてください」

……正直、少しだけこわかったです。

でも、そのどれもが、
彼なりの不器用で真っ直ぐな愛情でした。

毎日届く、甘い言葉。
愛の言葉は「名言」というより、時に「迷言」のようで。
でも、それが彼らしくて、愛おしい。

私は私で、何か言葉を返したくて、
甘いフレーズを考えてみるのですが……
いつも彼の情熱にかなわず、あっという間に撃沈です。

最近は、小説のヒーローたちからこっそり学びつつ、
「甘やかされる力」だけでなく、
「甘やかし返す力」も身につけたいと思っています。

この恋はきっと、波乱も笑いも、そしてたくさんの愛情も詰まった、
小さな物語になっていくのだと思います。

その一ページずつを、これから少しずつ綴っていきますね。
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