フランス人彼氏が甘すぎて、血糖値が心配です。

お台場をおんぶで爆走された事件

今日はちょっと箸休め。
私のフランス人彼氏、実は甘いだけじゃないんです。
時々、めちゃくちゃ面白いことをしてくるんです。

──ある冬の日のお台場。

私たちはイルミネーションを見に行きました。
でも、お台場って……広くないですか?いや、広すぎませんか!?

地平線まで続くかのような平坦な土地。
大通りもどーんと広くて、歩いても歩いても終わらない。

途中で私、限界に到達しました。
「疲れた~。帰ろうよ~」と、すでにヘロヘロ。

すると彼が、不意にしゃがみ込みながらひと言。

「じゃあ、背中に」

……はい?なにそれ?
これが……フレンチジョークってやつかな?

ノリで、ちょっと背中に乗ってみたら、
彼、すっくと立ち上がった。しかも、まったくブレずに。

「高っっっっ!!」

想像を超える目線の高さ。地面、見えません。
おそらく私、人間の背に乗っているというより塔の上です。

「大丈夫だよ」

そう言った彼は、次の瞬間、
ダッシュしました。

──え、走るの!?今から!?
私はまさに「ぎゃーーーーー!!!」と絶叫。

夜の静まり返ったお台場。
海風とイルミネーションのなかに、
私の悲鳴がしっかりエコーしました。

もう、乗り心地はほぼ、馬。
速いし揺れるし、高いし、冷えるしで、もはや修行。

イルミネーションに着いたころには、
心臓がバクバクで、息も絶え絶え。

あの輝く光の粒たち、天国の入り口かと思いました。

彼はというと、すっかり「いたずらに成功した少年の顔」。
笑いをこらえてるその顔が、またずるいんです。

──甘さもあるけど、スパイスも効いてる。
そんな彼との日々は、予想外の展開でできてます。
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