家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

第7部 妹の終焉と、家族の始まり

ルシアの婚約がもたらされたのは、それからしばらく経ってからだった。

あの気性の激しい妹が、ようやく結婚するらしいと風の噂で聞いた。

実家とは絶縁状態が続いており、私はもう詳しい事情を知らなかった。

だがその知らせを聞いた日の夜、セドリックに問いかけた。

「相手は、どんな方なの?」

セドリックは少し首をかしげながら答えた。

「聞いたところによると……どうやら地方の伯爵家らしい。名門ではないが、堅実な家柄のようだ。」

「そう……」

私は頷いた。あのルシアと結婚する相手が、果たしてどんな人物なのか、少し心配にもなった。

だが、それでも——あの妹がようやく誰かと落ち着こうとしている。
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