家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

第8部 真実の夫婦と、夜の甘い契り

数か月が過ぎ、私の体調は徐々に悪くなっていった。

日差しのやわらかい午後でさえ、ベッドに横になることが多くなり、気づけばほとんど寝室から出ていなかった。

「どうしたというんだ……」

セドリックは仕事がない日は、ずっと私のそばにいてくれるようになった。

冷たい額を撫でたり、毛布をかけ直したり……彼の優しさに、胸がじんとする。

それでも、どうにも食欲がわかない。

胸がむかついて、食べる気になれないのだ。

「これでは、やせ細ってしまうよ。」

心配そうに私の頬を撫でるセドリック。

何とか食べてほしいと、自ら厨房に立ってくれた。

「できたよ、クラリス。」

そう言って差し出されたのは、温かな香りのスープ。

優しく微笑む彼の顔がにじんで見えた。

「ありがとう、セドリック……」

スプーンを口に運ぶと、ほっとするようなやさしい味が広がった。涙が出そうだった。

「君が元気になるまで、僕が何でも作るさ。」

その言葉に、私はかすかに微笑んだ。
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