家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

第9部 公開処刑の晩餐会

そして王族主催の晩さん会に、私たちも招待された。

「なぜ伯爵の私たちが?」と、首をかしげた。

確かに、王族とのつながりなど私たちには何もないはずだ。

「君の実家の影響だろう。」

「えっ?」

思わず私は声を上げた。

またエルバリー家が何か画策したのだろうか。

「エルバリー家は、名家として知られているからね。借金のことは伏せてあって、貴族としての名前だけが先行している。そこの令嬢である君が僕と結婚したことで、注目されたのだろう。」

「なんか……嬉しいような、恥ずかしいような。」

私は思わず顔を赤らめた。確かに誇らしい気持ちはある。

でも同時に、あの家の裏事情を知っているだけに、素直には喜べない。

「堂々としていればいい。君は立派なグレイバーン伯爵夫人だ。」

セドリックはそう言って、私の手を取った。
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