家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

第4部 舞踏会の招待

それはある日、突然届いた。

「クラリス、舞踏会にいらっしゃらない?」

同級生のエミリアから届いた手紙には、丁寧な文字でそう書かれていた。

彼女とは学園時代からの友人で、公爵家に嫁いだ今も時折こうして誘ってくれる。

だが、公爵家の舞踏会――格式も賓客も違うその場に、成り上がりの伯爵夫人である私が行っても、きっと場違いだろう。

豪華なドレスを着飾った令嬢たちの中で、私はただの「そばかす顔」として浮くだけではないか。

せっかくの誘いを断るのは失礼だと分かっている。

でも、不安ばかりが募る。

クラリス夫人としての自信も、まだ完全には持てていなかったのだ。
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