あなたの子ですが、内緒で育てます
26 娘を女王にしてみせる! ※デルフィーナ
――まずい。まずいわ!
わたくしは完全に孤立していた。
ルドヴィク様はわたくしを避け、離宮に行ってしまった。
王位を放棄したと、大臣たちは息巻いている。
このままでは、ルチアノが王になってしまう。
「これもすべて、セレーネのせいよ! ルドヴィク様を誘惑し、ザカリア様を操って、とんでもない悪女だわ!」
「お母様。ルチアノのお母様は優しい方よ。わたしのことを馬鹿にしないの」
王宮にいる子供は二人だけで、ロゼッテはルチアノと一緒に遊ぶのが楽しいらしい。
でも、向こうは敵。
「ロゼッテ! 敵と仲良くしてどうするの!」
「て、敵? で、でも、ルチアノは……」
「さぁ、今から、セレーネたちのところへ行きましょ。さっき教えたとおり、わたくしのネックレスを侍女が盗んだと言うのよ」
「盗んでなくても……? 嘘は駄目って、先生が……」
ロゼッテの両肩を掴んだ。
そして、強く言い聞かせた。
「ロゼッテ、いいこと? 失敗したら、お父様は二度と帰ってこないわ。全部、あなたにかかっているのよ」
「う、うん」
「違うわよ。ロゼッテ。『はい、お母様』でしょう!?」
「は、はいっ」
わたくしは完全に孤立していた。
ルドヴィク様はわたくしを避け、離宮に行ってしまった。
王位を放棄したと、大臣たちは息巻いている。
このままでは、ルチアノが王になってしまう。
「これもすべて、セレーネのせいよ! ルドヴィク様を誘惑し、ザカリア様を操って、とんでもない悪女だわ!」
「お母様。ルチアノのお母様は優しい方よ。わたしのことを馬鹿にしないの」
王宮にいる子供は二人だけで、ロゼッテはルチアノと一緒に遊ぶのが楽しいらしい。
でも、向こうは敵。
「ロゼッテ! 敵と仲良くしてどうするの!」
「て、敵? で、でも、ルチアノは……」
「さぁ、今から、セレーネたちのところへ行きましょ。さっき教えたとおり、わたくしのネックレスを侍女が盗んだと言うのよ」
「盗んでなくても……? 嘘は駄目って、先生が……」
ロゼッテの両肩を掴んだ。
そして、強く言い聞かせた。
「ロゼッテ、いいこと? 失敗したら、お父様は二度と帰ってこないわ。全部、あなたにかかっているのよ」
「う、うん」
「違うわよ。ロゼッテ。『はい、お母様』でしょう!?」
「は、はいっ」