あなたの子ですが、内緒で育てます
12 二人の子ども ~七年後~
『ユグレリア王国――ロゼッテ王女誕生』
王国全土に知らされたのと同じ日、私の子、ルチアノも誕生した。
ルチアノには、三歳になる頃、実の父親が国王陛下であり、王の子であることを説明した。
けれど、ルチアノに驚いた様子はなかった。
まるで、お腹の中にいた時の記憶があるかのように、ルチアノは抵抗なく受け入れた。
「ルチアノ様はセレーネ様にそっくりですわね」
「本当。銀の髪に青い目……。とても美しくて、成長が楽しみです」
ザカリア様の城で働く侍女たちは、ルチアノにメロメロで――
「ルチアノ様、お菓子がありますよ」
「一緒に絵を描きましょう」
本を、木彫りの兵隊をと、手を変え品を変え、ルチアノの気を引こうと、城の者たちは競っていた。
けれど、ルチアノはザカリア様に一番なついていた。
毎日、親ガモの後ろをついてまわる子ガモのようについて回る。
子供に、どう接していいかわからないザカリア様は困惑の連続で、戸惑った姿をよく目にした。
「ルチアノ。駄目よ。ザカリア様のお邪魔になるでしょう?」
王国全土に知らされたのと同じ日、私の子、ルチアノも誕生した。
ルチアノには、三歳になる頃、実の父親が国王陛下であり、王の子であることを説明した。
けれど、ルチアノに驚いた様子はなかった。
まるで、お腹の中にいた時の記憶があるかのように、ルチアノは抵抗なく受け入れた。
「ルチアノ様はセレーネ様にそっくりですわね」
「本当。銀の髪に青い目……。とても美しくて、成長が楽しみです」
ザカリア様の城で働く侍女たちは、ルチアノにメロメロで――
「ルチアノ様、お菓子がありますよ」
「一緒に絵を描きましょう」
本を、木彫りの兵隊をと、手を変え品を変え、ルチアノの気を引こうと、城の者たちは競っていた。
けれど、ルチアノはザカリア様に一番なついていた。
毎日、親ガモの後ろをついてまわる子ガモのようについて回る。
子供に、どう接していいかわからないザカリア様は困惑の連続で、戸惑った姿をよく目にした。
「ルチアノ。駄目よ。ザカリア様のお邪魔になるでしょう?」