結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない

13.焦げた甘い玉子焼き

 汗を流しスッキリした沙紀が部屋を出ると、おいしそうな匂いにお腹が鳴った。
 
 準備してくれたのは野菜のスープ。
 温かくて柔らかく煮込まれた野菜がスッと喉を通って行く。
 暁良は沙紀が食べ終わるまで話をするのを待っていてくれた。

「昨日の帰り、誰かに会ったか?」
 別れを覚悟をしていた沙紀は、全然予想外の話に驚き、顔を上げた。

「あ……、営業の加賀さんに」
 なんで大輝に会ったことを知ってるの?
 
「一緒にカラオケに?」
「カフェに誘われて店の前まで行ったんですけどお断りして、電車でここに。……カラオケって何の話ですか?」
 首を傾げる沙紀の前に出されたのはノートパソコン。
 表示された写真に沙紀は目を見開いた。
 
「……なんですか、これ。誰が……」
 大輝と手を繋いでカラオケに入っていくように見える写真。
 
「カフェはここです」
 木でうまく隠されたカフェの看板、大輝が笑いながら手を引き、私の表情は見えない。
 だがこの写真を見る限り、私がイヤな顔をしているとは誰も想像しないだろう。
 暁良がマップを表示し、3D表示でカフェを確認する。
 
「確かにカラオケの隣はカフェだな」
 あぁ、仕事でミスして早く帰らされた私が、大輝を呼び出してカラオケで愚痴をこぼしてここに帰ってきたと思われたんだ。
 沙紀は俯きながら下唇を噛んだ。
 
「この写真は沙紀が経理部の上野心愛にメールで送ったものだ」
「……え?」
 私が経理部の子に?
 
「経理部の上野さんって……?」
「加賀大輝の相手だ」
「あ、あの子?」
 経理部に入った若くて可愛い子だと紹介されたあの子!
 名前までココアなんて可愛い名前だったなんて。
 
「どうしてこの写真を、私からその子に? 私がここに写っているのに、私から?」
 全然意味が分からない。
 
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