婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
2.
ヒルダは落ち着いた様子でエステルの背を撫で続けたが、父親と兄はどうしたものかとまごまごする。
エステルとセドリックの婚約は、決して政略的なものだけではなかった。エステルは、王城で魔導具の開発をしていた父親のもとへ、よく遊びにいっていた。モートンがエステルの意見を聞くため呼び出すこともあったが、エステル自身が父の魔導具に打ち込む姿が好きだったのだ。
幼い頃から王城へ足を運んでいたエステルだが、そこでセドリックと出会った。性別の違いはあったものの、同い年という共通点が二人の仲を一気に近づけた。
エステルがモートンの仕事場に遊びに行くと、どこから聞きつけたのか、セドリックも決まって姿を現すのだ。そして父親が作った魔導具の試作品を二人で使い、ああでもないこうでもないと、遠慮のない意見をモートンへと伝える。するとモートンは、その魔導具を改良する。
その後は二人で庭に出て、太陽の下を駆け回ったりおやつを食べたりと、他愛のない時間を過ごしていた。
当時のエステルは、セドリックがこの国の王子だという認識はなんとなくあったが、それでも友達という気持ちのほうが強かった。
エステルとセドリックの婚約は、決して政略的なものだけではなかった。エステルは、王城で魔導具の開発をしていた父親のもとへ、よく遊びにいっていた。モートンがエステルの意見を聞くため呼び出すこともあったが、エステル自身が父の魔導具に打ち込む姿が好きだったのだ。
幼い頃から王城へ足を運んでいたエステルだが、そこでセドリックと出会った。性別の違いはあったものの、同い年という共通点が二人の仲を一気に近づけた。
エステルがモートンの仕事場に遊びに行くと、どこから聞きつけたのか、セドリックも決まって姿を現すのだ。そして父親が作った魔導具の試作品を二人で使い、ああでもないこうでもないと、遠慮のない意見をモートンへと伝える。するとモートンは、その魔導具を改良する。
その後は二人で庭に出て、太陽の下を駆け回ったりおやつを食べたりと、他愛のない時間を過ごしていた。
当時のエステルは、セドリックがこの国の王子だという認識はなんとなくあったが、それでも友達という気持ちのほうが強かった。