婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
第六章:でんわを改良します!
1.
「では、今日の定期通話を終える。何かあったら、すぐに連絡するように」
『はい。ありがとうございます』
――ブツッ……ツーツーツー。
ギデオンとペレ集落の定期通話が終わった。日当たりのよい明るい執務室に、静寂が戻る。
これの定期通話が始まって早二か月。エステルの発明した『でんわ』はアドコック領内に広まっている。まずはギデオンと各集落に設置された『でんわ』だが、そこに行き渡ると、次は城で働く者たちが手にするようになる。
「ギデオン様。使い勝手はどうですか?」
エステルが尋ねると、ギデオンは重厚な執務机に肘をつき、顎をなでる。
以前は、彼の机の上にずらりと並んでいた『でんわ』だが、今やそれも一台に集約されている。
通話回路の切り替えもなんとかうまくいくようになり、相手を選んで話ができるようになった。だが、これでもまだ試作段階だ。通話できる相手に上限があるという課題が残っていた。
「まあ、問題はない。だが、今後は不特定多数と話ができるようにしたいと言っていただろう? つまり見知らぬ者とも話ができるということになるよな?」
『はい。ありがとうございます』
――ブツッ……ツーツーツー。
ギデオンとペレ集落の定期通話が終わった。日当たりのよい明るい執務室に、静寂が戻る。
これの定期通話が始まって早二か月。エステルの発明した『でんわ』はアドコック領内に広まっている。まずはギデオンと各集落に設置された『でんわ』だが、そこに行き渡ると、次は城で働く者たちが手にするようになる。
「ギデオン様。使い勝手はどうですか?」
エステルが尋ねると、ギデオンは重厚な執務机に肘をつき、顎をなでる。
以前は、彼の机の上にずらりと並んでいた『でんわ』だが、今やそれも一台に集約されている。
通話回路の切り替えもなんとかうまくいくようになり、相手を選んで話ができるようになった。だが、これでもまだ試作段階だ。通話できる相手に上限があるという課題が残っていた。
「まあ、問題はない。だが、今後は不特定多数と話ができるようにしたいと言っていただろう? つまり見知らぬ者とも話ができるということになるよな?」