婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
3.
「そういえば、セリオさんが変なことを言っていたんですよね」
手を動かしながら、エステルがアビーに話しかけた。
「変なこと?」
アビーも手を止めることなく、聞き返す。
「はい……。セリオさんが『でんわ』は決してアドコック領以外の人間に見せるなって……」
それは、できるだけたくさんの人に使ってもらいたかったエステルの考えとは反するもの。
「どうしてですかね?」
アビーに助けを求めるように尋ねるが、アビーも「なんでだろうね~」と言って、誤魔化しているようにも見える。
「もしかしてセリオさん……。この『でんわ』を真似して、王都に広めたいとか。もしかして、そういうこと?」
エステルの脳裏には盗作という言葉が浮かぶ。
「う~ん。あのセリオだよ? それはないと思うけど?」
アビーがそう言いたくなる気持ちもわかる。なによりもセリオは魔導職人ではない。魔導具をそれなりに使える一般人という位置づけだ。いや、魔導具の分析が大好きな評論家か。
手を動かしながら、エステルがアビーに話しかけた。
「変なこと?」
アビーも手を止めることなく、聞き返す。
「はい……。セリオさんが『でんわ』は決してアドコック領以外の人間に見せるなって……」
それは、できるだけたくさんの人に使ってもらいたかったエステルの考えとは反するもの。
「どうしてですかね?」
アビーに助けを求めるように尋ねるが、アビーも「なんでだろうね~」と言って、誤魔化しているようにも見える。
「もしかしてセリオさん……。この『でんわ』を真似して、王都に広めたいとか。もしかして、そういうこと?」
エステルの脳裏には盗作という言葉が浮かぶ。
「う~ん。あのセリオだよ? それはないと思うけど?」
アビーがそう言いたくなる気持ちもわかる。なによりもセリオは魔導職人ではない。魔導具をそれなりに使える一般人という位置づけだ。いや、魔導具の分析が大好きな評論家か。