婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
4.
地下から上がり、城塞を出て、内城の門をくぐって外城にやってきたエステルは、すれ違う人たちから次々と声をかけられていた。というのも、『でんわ』制作でずっと地下にこもりっきりで、姿を現さなかったのが原因だ。
「エステル様、ずっとお姿を見ませんでしたが、体調を崩されていたんですか?」
「エステルさま。どこに行っていたの?」
「私は元気ですよ。それにどこにも行っていなくて……あえて言うならば、地下室……。魔導具作りが忙しくてですね……」
そう返せば、誰もが納得する。
「エステル様の『でんわ』、とっても便利ですもんね。私も夫にもたせて、仕事が終わった頃に『でんわ』で連絡をするんです。そうしたら不思議なことに、『でんわ』を持つようになってから、あの人も早く家に帰るようになったんですよ」
おほほほ、と夫人は笑っていた。
「エステルさま。ぼくも『でんわ』ほしい。アリスと『でんわ』でお話したい」
夫人の子が、明るい声で言った。
「そうね。でも『でんわ』は便利な魔導具だけど、便利なだけに正しい使い方をしなければならないの。その正しい使い方ができるようになったら、『でんわ』を作ってあげるわ」
「エステル様、ずっとお姿を見ませんでしたが、体調を崩されていたんですか?」
「エステルさま。どこに行っていたの?」
「私は元気ですよ。それにどこにも行っていなくて……あえて言うならば、地下室……。魔導具作りが忙しくてですね……」
そう返せば、誰もが納得する。
「エステル様の『でんわ』、とっても便利ですもんね。私も夫にもたせて、仕事が終わった頃に『でんわ』で連絡をするんです。そうしたら不思議なことに、『でんわ』を持つようになってから、あの人も早く家に帰るようになったんですよ」
おほほほ、と夫人は笑っていた。
「エステルさま。ぼくも『でんわ』ほしい。アリスと『でんわ』でお話したい」
夫人の子が、明るい声で言った。
「そうね。でも『でんわ』は便利な魔導具だけど、便利なだけに正しい使い方をしなければならないの。その正しい使い方ができるようになったら、『でんわ』を作ってあげるわ」