婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
4.
* * *
「くそっ」
投げられたクッションがポフッと間抜けな音を立てた。
「まぁまぁ、落ち着けよ」
「これが落ち着いていられるか! 全部おまえのせいなんだよ」
ターラント国立エルガス学園生徒会室――。
荒れて暴れているのはセドリックだ。先ほどから、ソファの上に置いてあるクッションは、かわいそうなことに彼に八つ当たりされ、投げられ殴られ、本来の目的とは違う使われ方をしている。そろそろ布地が破れて、中の綿が飛び出してくるのではないかと心配になるほど。
「とりあえず、お茶でも飲むか?」
そうやってセドリックを宥めようとしているのはジュリーなのだが、その口調はどこか淑女らしさを欠いていた。
セドリックはギロリとジュリーを睨む。
「おまえ、いい加減、その頭を取れ。その顔でその口調、気持ち悪い」
「くそっ」
投げられたクッションがポフッと間抜けな音を立てた。
「まぁまぁ、落ち着けよ」
「これが落ち着いていられるか! 全部おまえのせいなんだよ」
ターラント国立エルガス学園生徒会室――。
荒れて暴れているのはセドリックだ。先ほどから、ソファの上に置いてあるクッションは、かわいそうなことに彼に八つ当たりされ、投げられ殴られ、本来の目的とは違う使われ方をしている。そろそろ布地が破れて、中の綿が飛び出してくるのではないかと心配になるほど。
「とりあえず、お茶でも飲むか?」
そうやってセドリックを宥めようとしているのはジュリーなのだが、その口調はどこか淑女らしさを欠いていた。
セドリックはギロリとジュリーを睨む。
「おまえ、いい加減、その頭を取れ。その顔でその口調、気持ち悪い」