婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
第三章:除雪機を作ります!
1.
外から、やいのやいのと声が聞こえる。だが、まだ室内は暗いし、外も薄暗い。
アドコック領に冬がやってきた。本格的に雪が降る前に『こたつ』は完成し、底冷えするような場所で仕事をする人たちの役に立っている。だが、いつまでもぬくぬくとして、一度入ったら出られない魅惑のものとも言われ、それを脱却するためにも、一定の時間が来たら熱源が切れるようにした。これは切り忘れ防止にもいいし、作業にもメリハリがついていいと、好評だった。
エステルはそっとベッドから下りた。今日はいつもよりも、冷え込みが激しい。暖房魔導具のおかげで室内はそれなりにあたたかいが、それでもいつもよりは寒い気がした。
エステルは厚手のガウンを羽織って、そっと窓際に近づく。外から聞こえる声が気になったのだ。
「うわっ」
外には雪が積もっていた。昨夜から雪が降り始めたとは聞いていたが、その雪は大人の膝が隠れるくらいまで積もっている。
(すごい……)
初めて雪を見たエステルは、興奮を隠しきれない。その雪が積もっている場所に、ちらほらと人の姿が見えた。
(あの人たちは何をしているのかしら……あ、雪かき?)
アドコック領に冬がやってきた。本格的に雪が降る前に『こたつ』は完成し、底冷えするような場所で仕事をする人たちの役に立っている。だが、いつまでもぬくぬくとして、一度入ったら出られない魅惑のものとも言われ、それを脱却するためにも、一定の時間が来たら熱源が切れるようにした。これは切り忘れ防止にもいいし、作業にもメリハリがついていいと、好評だった。
エステルはそっとベッドから下りた。今日はいつもよりも、冷え込みが激しい。暖房魔導具のおかげで室内はそれなりにあたたかいが、それでもいつもよりは寒い気がした。
エステルは厚手のガウンを羽織って、そっと窓際に近づく。外から聞こえる声が気になったのだ。
「うわっ」
外には雪が積もっていた。昨夜から雪が降り始めたとは聞いていたが、その雪は大人の膝が隠れるくらいまで積もっている。
(すごい……)
初めて雪を見たエステルは、興奮を隠しきれない。その雪が積もっている場所に、ちらほらと人の姿が見えた。
(あの人たちは何をしているのかしら……あ、雪かき?)