仏の顔も三度までですわ！愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

拒絶と決意

今日はミラーネ１０歳の誕生日パーティー！
アーデン家の第一子であるミラーネが１０歳になる記念のパーティーなので、各地から貴族を招いて大々的に行われた。

あれから１週間、誕生日パーティーの準備で忙しくてあっという間だった。
すごすごとシェリーナの元へ戻ったデルバートとは１週間ぶりに顔を合わせたけれど、オドオドして私と目を合わせることもできないみたい。
鋭い眼光で私を睨んでいた頃とはまるで別人のよう。
本当は隣にいるのも嫌なんだけど、そんなことは表情に出さず、公爵夫人を演じることに徹底した。

主役のミラーネはラベンダーカラーのドレスを身にまとい、愛らしい笑顔を振りまいている。
まだ１０歳だけど、もう立派なレディだね！
ちなみに、リフィールは淡いピンクのドレスでこちらも超可愛い♡
ランドリックはブラウンを基調とした子ども用のタキシードで、かわいいやらかっこいいやら♡

準備を頑張った甲斐あり、来賓の反応も上々。
パーティーはとても和やかな雰囲気で、ミラーネにとって最高の思い出になればいいなぁと思っていた矢先のことだった。

華やかなパーティーの大広間の扉が、突然叩きつけられるように開いた。
音楽と和やかな談笑の声に包まれた会場が一瞬静まり返る。
開かれた扉の向こうに姿を現したのはシェリーナだった。

シェリーナは純白のドレスと煌びやかな宝石を身に着け、長い銀髪をなびかせるようにゆっくりと大広間の中央へ歩いてくる。
離れていてもわかる。あのドレスと宝石は高いぞ…。
シャンデリアのようにキラキラと輝くシェリーナは、美しさに凄みがあった。
周囲はシェリーナがランドリックの元乳母だと認識できず、戸惑いの雰囲気だ。
恐らく、アーデン家の関係者だけが青ざめているだろう。