Excessive love.
Episode2
土日に掛けて自分の荷物をまとめたり処理しに行ったけれど、土曜日には隆太はいなかった。いつもは綺麗に保たれているリビングも今回はゴミが少しだけ残っていて、ビール缶の跡があったりするから私のいない家を案外快適に過ごしているのかもしれない。

私が居ると何かとうるさいから寛げないと本人はいつも言っていたし、私が飲み会の日は喜んですらいた。

今辛うじてまだ綺麗な部屋は保たれていて後どのくらい保たれるのかは私の知る所ではない。

日曜日は夕方頃に隆太は帰って来た。私の顔を見るなり気まずそうな顔をして、片付けている私の姿を目で追っていた。


「…家、どうするつもりなの?」

「もう決まったからご心配なく。あ、明日から姫野さん呼ぶなら好きにしていいから。私の私物は今日で全部無くなる予定だし。」

「俺達、ちゃんと話し合ってないじゃん。話し合おうよ。」

「まず、浮気したくせに謝罪の言葉1つ出てこない男と話し合う事なんて無いから。」


そう言うと口を噤んでいる。ごめんねとか、そう言う言葉をせめて一言貰っていたら冷静にも話し合えたのかもしれない。だけど、人の心を傷つけて置いてその言葉すら無かった。

その時に、ああ、私は付き合う男性を間違えたのだな、と尚更惨めな気持ちにさせられた。
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