Excessive love.
Episode6
週末はいつも朝倉さんと料理の特訓や、家事を一緒にするのだけど、私が居なくても問題が無いくらいには急成長を遂げていた。

朝倉さんはそもそもレシピ通りにきちんと作る人なので、美味しい物を作れる。


「朝倉さん、もうほとんどの家事完璧です。」

「え、もう合格?」

「私が教えなくてもある程度の事出来てます。」


そう言いながら拍手をすると朝倉さんは、はにかんでいた。

いつも「これどうやるの?」と私の後ろを着いてまわっていた朝倉さんが、もう1人である程度何でも出来るようになっていた。

ここに住み始めてまだ2ヶ月程で、週末にしか教えられていないのに、元々やり方を知らなかっただけで、出来た人なのだと思う。


「じゃあ、そろそろ私もこのお家を出なければですね。」


元々朝倉さんが出来る様になるまでの約束だったから、これ以上は私が居る意味は無い。いつか来る日に備えて物件の目途は立てていたから、すぐに出られるのではないかと思う。


「何かさ、ちょっと考えちゃったよな。」

「何をですか?」

「新田と家庭持ったらこんな感じなのかなって。」

「えっ、」


朝倉さんの発言に少し驚いていると「あ、…いや…、」と朝倉さんも何故か少し驚いた表情をしていた。


「違…、いや、なんというか。ずっと新婚っぽいなって思ってて…。一緒に家事したり料理したり…。」


慌てて弁明している朝倉さんが何だか凄く可愛らしい。凄くドキドキさせられた後に毎度可愛くなるから、情緒が忙しい。
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