Excessive love.
Episode1
お世話になった優花の家も出て、日曜日は仕事をした後ホテルで一泊し、また月曜日もいつも通り会社に出社した。

考えは何となくまとまってきて物件も見ているけど、そんなとんとん拍子では上手く行かない。

こんな最悪な事があっても会社は当たり前に動いているし、私の個人的な事情で会社を休んで迷惑を掛ける訳には行かない。だけど、会社に行くと言う事は元カレと浮気相手の顔を見る事にもなるのだけど、それは少々つらいものがあった。

オフィスに入る前に軽く溜息を吐いていた。中々オフィスには入れなくて、入口で止まっていると「新田、大丈夫か？」と後ろから声を掛けられた。慌てて後ろに振り向くと、営業部の朝倉(あさくら)　直樹(なおき)課長だった。

私が中々オフィスに入れなかったのを見て心配させてしまった様だった。


「課長、おはようございます。」

「おはよう。何かあった？」

「あ、いえ、ちょっと考え事をしていて。」

「そっか、何か相談乗れる事あったら言えよ。」

「はい。」


課長がオフィスに入って行くのを見て、私も入らない訳には行かず後に続いた。

姫野さんとの席は不幸中の幸いというべきか、私とは少し遠い所にある。ただ事務にお世話になる事もあるので、関わらない訳にもいかず気が重くなった。
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