義弟の甘い罠は壊れるほど狂おしく【長編版】
13・真実への一歩
翌日、御影法律事務所の給湯スペースで、私と軽井沢さんは並んでコーヒーを淹れていた。
いつもなら、私が淹れて席まで持って行くのだけれど、最近は日記の話もあり、こうした隙間時間で会話をすることが多くなっている。
日記の一文を書いたのは律だったと報告すると、軽井沢さんは隣でマドラーをくるくる回していた手を止めた。
「えっ? 律くんだった!?」
「はい……」
お互い神妙な面持ちでいると、向こうから声が飛んできた。
「えっ? 今、リッくんの話した!?」
衝立の向こうから、真子さんが勢いよく身を乗り出してきた。
相変わらず、律の話になると耳がいい。
「リッくんの新しい情報!?」
「はいはい、三浦さんはごめんね。これは姉弟に関する大事〜な話だから」
軽井沢さんが真子さんの両肩を持って、回れ右させる。
「えぇ? なんでですか。ところで、なんで菜月ちゃんは〝ちゃん〟付けなのに、私は名字に〝さん〟付けなんですか!」
「ん? 真子ちゃんって呼んでほしい?」
軽井沢さんがニヤリと口角を上げると、真子さんは肩を震わせる。
「……いえ、結構です!」
真子さんと軽井沢さんが揃うと、まるで漫才を見ているようで事務所の空気が和む。
いつもなら、私が淹れて席まで持って行くのだけれど、最近は日記の話もあり、こうした隙間時間で会話をすることが多くなっている。
日記の一文を書いたのは律だったと報告すると、軽井沢さんは隣でマドラーをくるくる回していた手を止めた。
「えっ? 律くんだった!?」
「はい……」
お互い神妙な面持ちでいると、向こうから声が飛んできた。
「えっ? 今、リッくんの話した!?」
衝立の向こうから、真子さんが勢いよく身を乗り出してきた。
相変わらず、律の話になると耳がいい。
「リッくんの新しい情報!?」
「はいはい、三浦さんはごめんね。これは姉弟に関する大事〜な話だから」
軽井沢さんが真子さんの両肩を持って、回れ右させる。
「えぇ? なんでですか。ところで、なんで菜月ちゃんは〝ちゃん〟付けなのに、私は名字に〝さん〟付けなんですか!」
「ん? 真子ちゃんって呼んでほしい?」
軽井沢さんがニヤリと口角を上げると、真子さんは肩を震わせる。
「……いえ、結構です!」
真子さんと軽井沢さんが揃うと、まるで漫才を見ているようで事務所の空気が和む。