甘く苦く君を思う
孤独な決意
彼と別れ、仕事も辞めた私はそのまま引っ越した。
どこに行くかも考えがつかず、すぐに入居ができるところに決め、引っ越しもすぐに手配してしまった。
私は大事なレシピと小さな製菓道具だけを手に電車に乗り込んだ。
電車に乗っているといつの間にか雨が窓がすに打ちつけていた。
駅についてもまだ雨は降り続いていて、私は駅の入り口に立ち尽くしてしまう。
あぁ、彼と会ったのもこんな雨だったなと思うとまた胸が締め付けられた。
新しい街にで暮らし初めてすぐに体の変化に気がついた。
以前から続いていためまいや吐き気がおさまらない。それに加えて匂いに敏感になっていた。
まさか……。
思い当たる節は、ある。
半信半疑だが、言われてみればずっと月のものが来ていない。ストレスで体調を崩しているのかと思ったけど、そうではないのかもしれない。
病院を恐る恐る受診すると医師の静かな言葉に胸を震わせた。
「おめでとうございます。今3ヶ月ですね」
その瞬間、涙が止まらなかった。喜びと恐怖と、不安と色々な感情が私を取り巻く。
このことを昴さんと一緒に聞きたかった。
もちろんそんな現実はあり得ないともうわかっている。
それでも彼の子供がここにいると思うと温かい気持ちになれた。
まだ出ていないお腹にそっと手を当てる。
ひとりで育てよう。
この存在を消すなんて考えられなかった。
これ以上彼に迷惑をかけるつもりはない。この子を守れるのは自分だけだ。
どこに行くかも考えがつかず、すぐに入居ができるところに決め、引っ越しもすぐに手配してしまった。
私は大事なレシピと小さな製菓道具だけを手に電車に乗り込んだ。
電車に乗っているといつの間にか雨が窓がすに打ちつけていた。
駅についてもまだ雨は降り続いていて、私は駅の入り口に立ち尽くしてしまう。
あぁ、彼と会ったのもこんな雨だったなと思うとまた胸が締め付けられた。
新しい街にで暮らし初めてすぐに体の変化に気がついた。
以前から続いていためまいや吐き気がおさまらない。それに加えて匂いに敏感になっていた。
まさか……。
思い当たる節は、ある。
半信半疑だが、言われてみればずっと月のものが来ていない。ストレスで体調を崩しているのかと思ったけど、そうではないのかもしれない。
病院を恐る恐る受診すると医師の静かな言葉に胸を震わせた。
「おめでとうございます。今3ヶ月ですね」
その瞬間、涙が止まらなかった。喜びと恐怖と、不安と色々な感情が私を取り巻く。
このことを昴さんと一緒に聞きたかった。
もちろんそんな現実はあり得ないともうわかっている。
それでも彼の子供がここにいると思うと温かい気持ちになれた。
まだ出ていないお腹にそっと手を当てる。
ひとりで育てよう。
この存在を消すなんて考えられなかった。
これ以上彼に迷惑をかけるつもりはない。この子を守れるのは自分だけだ。