英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第15話 わたしの旦那様(2)
翌朝、疲れた顔をしたロキ君が薬箱を持って現れたのを見て、自然と笑顔になった。
ここで頼りになるのはこの子だけなのだ。興奮気味のテンションも手伝い、待ってましたとばかりに彼を捕まえ、まくし立てずにはいられない。
「昨日は大変だったのよ。それに夜も色々あって……とにかくわたしの話を聞いてくれる!?」
「そのつもりで来たけどさ……。チェッ、ちょっと遊んだだけなのに、こってり絞られたこっちの立場も知らないで……」
靴擦れの手当を施されながら、スラスラとお喋りが止まらない。要は話し相手に飢えていたのだと思う。自分のことばかり話していても、ちゃんと相槌が返ってくるのが嬉しくて、わたしは気分よく思いの丈を発散した。
話の流れの中で、なにげなく黒猫の存在を知っているか尋ねたら、彼は急に瞳を大きくして、「し、知らない」と首を振った。
急にどうしたのだろう。なにかに怯えているようだが、彼は猫が苦手なのだろうか。
ここで頼りになるのはこの子だけなのだ。興奮気味のテンションも手伝い、待ってましたとばかりに彼を捕まえ、まくし立てずにはいられない。
「昨日は大変だったのよ。それに夜も色々あって……とにかくわたしの話を聞いてくれる!?」
「そのつもりで来たけどさ……。チェッ、ちょっと遊んだだけなのに、こってり絞られたこっちの立場も知らないで……」
靴擦れの手当を施されながら、スラスラとお喋りが止まらない。要は話し相手に飢えていたのだと思う。自分のことばかり話していても、ちゃんと相槌が返ってくるのが嬉しくて、わたしは気分よく思いの丈を発散した。
話の流れの中で、なにげなく黒猫の存在を知っているか尋ねたら、彼は急に瞳を大きくして、「し、知らない」と首を振った。
急にどうしたのだろう。なにかに怯えているようだが、彼は猫が苦手なのだろうか。