英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第27話 あなたの妻でいるために(4)【R15】
自分が恥ずかしくなりうつむくと、強い視線が追いかけてきた。
「……男が怖くなったか? 無理もないが」
「いえ、その……わたし、汚れているので……」
「君は汚れてなどいない」
いつかの逆パターンみたいな会話だ。きっぱりと否定してもらえてよかったと思っていると、大きな手の平がわたしの頬に添えられ、顔を正面に戻された。ひどく切ない真剣な眼差しが、視界に飛び込んでくる。
「アレクシア、俺を怖がらないでくれ。……あの下郎になにをされた?」
「ええ? えっと……」
恐ろしい場面を思い出すのは憂鬱だったが、話してしまったほうが楽になるかもしれない。迷った末に「首のあたりに蛭みたいに吸いつかれて……」と言ったら、すぐさま彼が上半身を傾けて、わたしの首元に頭を埋めてきた。
「……男が怖くなったか? 無理もないが」
「いえ、その……わたし、汚れているので……」
「君は汚れてなどいない」
いつかの逆パターンみたいな会話だ。きっぱりと否定してもらえてよかったと思っていると、大きな手の平がわたしの頬に添えられ、顔を正面に戻された。ひどく切ない真剣な眼差しが、視界に飛び込んでくる。
「アレクシア、俺を怖がらないでくれ。……あの下郎になにをされた?」
「ええ? えっと……」
恐ろしい場面を思い出すのは憂鬱だったが、話してしまったほうが楽になるかもしれない。迷った末に「首のあたりに蛭みたいに吸いつかれて……」と言ったら、すぐさま彼が上半身を傾けて、わたしの首元に頭を埋めてきた。