英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第32話 変わる景色(3)
お供はつけずにふたりきりでというグレイス様の希望に従い、世話役の少年少女とメイドたちを下がらせた。
美しく剪定された植え込みの間を、義母のあとについて歩いていく。
グレイス様は顔が整っているぶん、表情が乗っていないと不機嫌なように見える。
けれど散歩に誘われたことだし、ひょっとしたら向こうも関係の改善を望んでくれているのかもしれない。
話が通じるようなら、今のわたしが以前のアレクシアとは人格が異なることを打ち明けてみてもいいのかも──
そんなことを考えているうちに、緑の小道の先に休憩できそうな場所が見えてきた。
気を利かせたつもりで、先を行く貴人に声をかける。
「お義母様。よかったらあそこのベンチに……」
美しく剪定された植え込みの間を、義母のあとについて歩いていく。
グレイス様は顔が整っているぶん、表情が乗っていないと不機嫌なように見える。
けれど散歩に誘われたことだし、ひょっとしたら向こうも関係の改善を望んでくれているのかもしれない。
話が通じるようなら、今のわたしが以前のアレクシアとは人格が異なることを打ち明けてみてもいいのかも──
そんなことを考えているうちに、緑の小道の先に休憩できそうな場所が見えてきた。
気を利かせたつもりで、先を行く貴人に声をかける。
「お義母様。よかったらあそこのベンチに……」