英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第35話 幸運の反作用(1)
翌日の朝、どこか生まれ変わったような気持ちで義母と第二王子の見送りに臨んだ。
ルシウス様と一緒に、ふたりに挨拶をしようと進み出ていくと、手前で愛馬の世話をしていたリアム殿下が振り返り、応じてくれる。
「おはよう、ルシウス。それにアレクシア殿も……おや?」
その視線は、わたしが夫の肘に添えた手に釘づけになった。どうやらわたしたち夫婦の関係性が深まったことを敏感に察したようだ。
「おいルシウス、昨日より距離が近くなってないか? 昨夜、あのあとなにが……」
「フッ。聞くのは野暮というものです」
「なんということだ! あぁ、本当にひと目惚れだったのに……アレクシア殿ぉぉ」
そんなふうにすがるような視線を向けられても、苦笑するしかない。
ルシウス様と一緒に、ふたりに挨拶をしようと進み出ていくと、手前で愛馬の世話をしていたリアム殿下が振り返り、応じてくれる。
「おはよう、ルシウス。それにアレクシア殿も……おや?」
その視線は、わたしが夫の肘に添えた手に釘づけになった。どうやらわたしたち夫婦の関係性が深まったことを敏感に察したようだ。
「おいルシウス、昨日より距離が近くなってないか? 昨夜、あのあとなにが……」
「フッ。聞くのは野暮というものです」
「なんということだ! あぁ、本当にひと目惚れだったのに……アレクシア殿ぉぉ」
そんなふうにすがるような視線を向けられても、苦笑するしかない。